★09・FF11がもっと自慢して良い所【経済】

今でこそ、プレイヤー人口の減少と共に、生産系プレイヤーキャラは少なくなりました。合成職人と呼ばれた人達です。

一時期は合成職人で一部大儲けしている……というだけで晒されたりもしましたからね。覚えている人も多いことでしょう。

某旅団の初期メンバーにゲーム攻略担当のゲーマーさん(ライターさんではなく)がいました。彼は『FF11』だけでなく、各種データを細かく集めて、分析し、効率的なプレイを行い、最大の報酬を手に入れる……という才能に優れていたため、当時のプレイヤーの中ではトップクラスの速さで合成スキルを上げて、ギル稼ぎをしていました。

それだけで晒されてたなぁ……可哀想だったなぁ……。ズルとかルール違反を一切してないのに。

『FF11』は競売というプレイヤー同士の売り買いを媒介するシステムを導入することで、自分自身が直接モノを売るバザーが中心だったネットゲーム界に、経済の概念を大きく取り入れることになります。

これは経済圏の拡大……なんていう、ある意味現実世界でも通用する考え方に非常に相似していました。

まあ、合成職人という呼び名が定着するほど、『FF11』は戦闘ロール以外のロールが成立したということなんですけどね。

2024年現在よりもプレイヤー数が多かった過去には、戦闘に関係するレベルやスキルを上げず、合成のみで『FF11』を楽しむプレイヤーも数多くいたのです。実際に自分がもの凄くお世話になった栽培ブログサイトの管理人さんは数人の合成職人キャラと、栽培キャラのみで当作品を楽しんでおりました。

社会でモノを売るという基本

そもそも、『FF11』にはバザーが存在します。

キャラをアクセスしたまま放置することで買ってくれる人が覗き込み、必要であれば、値付けが正統だと判断するのであれば、購入していくシステムです。

非常に原始的な……まあ、現実社会でも、対面での「C to C」の初歩ですよね。ってアレか。かぶれ系のIT社長的な用語ですが、社会人としては結構普通に使われる単語になりつつアルので解説すると、「C to C」はConsumer to Consumer:個人間取引 って意味です。

このバザーはモノを他人に売る……という意味では当然の行為なのですが、売りたい場所にキャラが存在しなければいけない……という当たり前の制約が発生します。ログインし続けなければいけないわけですね。

実はこれ、世界共通、人間が商売をする一番最初の第一歩……となります。まあ、ヴァナの場合、神の都合でギルという貨幣がゲームスタート時から導入されています。そのため、人類の商売、初手である物々交換とはいきませんが。

自分が入手した、作ったアイテムを誰かに売る場合にどうするのか? 現実世界でも第一歩として身近にあるのは、バザーや、フリマなどで出店する事になるのですが、出店時には大人相手の手続きや書類などを最低限用意する必要があります。正直、小学生にはちょっと難しいですし、忙しい会社員には面倒です。

ですが、『FF11』では複雑な手続き無く、所持品をバザー設定にして、売りたい金額を提示、OKし、ヴァナディールで放置するだけで個人商店が開店できます。

その際。消費者のニーズに応え、買って貰う為には、いくらがいいのか? 売る場所は何処がいいのか? 放置して売る時間帯はどの辺なのか? 真剣に考えることになります。

ということで。判りましたね? 

『FF11』はただただプレイしているだけで、経済の基礎の基礎が身に付く……というわけです。

現在ではプレイヤー数が減り、そのバザーを展開しているキャラも少なくなりました。サーバー毎にバザーしてる人が集う場所も異なり、ジュノの港、下層、上層、税金導入後はロランベリー方面へ出た辺り……など、変遷してきました。

現在もジュノ上層のHP#2辺りには十数人が放置されていたりします。

競売という名の経済市場

経済概念という意味ではまさしく、『FF11』には競売が存在ます。

バザーで商売流通なんていうのの基礎を身に付けたら、次は、競売というシステムを利用した、大量、かつ業者を介在させた物品の売買となります。

サービス当初は、三国、ジュノ、の競売が繋がっておらず、各国毎に運営されていました。

実際の現代社会ではグローバル経済と言われ、ネットを介在して世界を舞台に売買行動が可能ですが、それ以前は、国毎の経済範囲が基本でした。

つまり、バスの競売では○○という種類のアイテムが充実しているが、サンドでは××が……といった感じでしょうか。まあ、特に、各ギルドの存在が大きく影響を与えていたというか。

実際に覚えている限りでも、宝石や錬金系の生産アイテムはバス。サンドは木材、皮製品、ウィンは食事、布製品、骨……ってほら。ギルドが大元ですよね。

その後、利便性(当時は四国間の移動は飛空艇。各国に倉庫キャラを作って競売確認させていた)からの訴えで、競売は統合され、サーバー内であれば、何処の競売でも同じモノが売られることになります。

売られるアイテムの項目がほぼ一緒のために共通化が訴えられましたが、本来であれば統合するのは非常に難しいのが市場です。

現実世界ではインターネットネットという世界の距離を縮める画期的な手段が一般的になって、初めて実現したグローバル経済。それがヴァナでは当たり前の様に、バージョンアップで実装されてしまいました。

あの瞬間の感覚は、現実の経済市場でも未だ完璧には味わえていないハズなのです。ある意味、最先端と言ってもいいでしょう。

市場操作と情報収集と競売

サーバー毎に競売が統合され、同一サーバー上で同じデータベースにアクセスできるようになって長いですが、そのシステムには当然、法則や慣習、上手いやり方等が存在します。

それこそ。簡単なモノであれば。

キャンペーンによって、○○という素材アイテムが入手しやすくなるとします。そうすると、単純にプレイヤーが手に入れる○○というアイテムが多くなり……売る人が多くなり。競売での販売価格が低下します。

『FF11』では素材を手に入れるために必要なアイテム……という商材も存在するのですが、それもキャンペーンで盛りあがる市場をよーく観察することで関連アイテムの値上がり、値下げが予測出来ます。

まあ、つまりは。情報を制する者が市場を制するという……もの凄くつまらない結論に。笑。

現実世界ではさらに膨大な情報の中から自分の必要な情報を選択しなければいけないために、正直対処するのが難しいわけですが、ヴァナではその予行練習が可能になるわけです。

正直、バザーよりも複雑で、多様なプレイヤー=消費者の動向というのが、見えてくる……なんて人も多いのでは無いでしょうか。

と、まあ、『FF11』というMMORPGは、経済という視点からでも、確実に、見るべき所、評価すべき部分が存在する、ということで。

ここまで競売がプレイヤーの活動に食い込んでいるゲームは、早々存在しないし思いつきません。モンスターを倒すというゲーム的な活動と、その後を生かす為の経済活動。戦闘と合成。さらに採掘、採取といったアイテム収集からの換金、貯金。貯めたお金で高額商品の購入。

異世界には魔物が存在し、人類の天敵として攻め寄せてくる。スタンピードだ! 倒せ! なぜか? 街に暮らす合成系の人々=市民、そして商人などの戦えない人を守るために。

うん、よくある異世界系小説の設定なんですけど。

そんな設定を反映させた規模のMMORPG。知ってます? 沢山あります? 自分は『FF14』くらいしか知りません。大規模に街を再現したMMORPGもメッタにないですし、そもそも、合成職という概念がないゲームが大半でしょう。まあ、『FF11』でも合成はスキルであって、職ではないですからね。

やれることが多過ぎると言われる本作の規模の大きさは……単純にアイテム数の多さだけではなく……地味ですが深いのです。そこに楽しみを見つけてしまうと、抜け出せなくなる、と。

それこそ、現在はサーバー間でもアイテム価格に差が生じています。
某サーバーでは7000万で売られているアイテムが、某サーバーでは9000万。2000万ギル差があるのであれば……リアルマネーを使用して倉庫キャラをサーバー移転を行い、アイテムを買って、再度サーバー移転で戻ってくる……なんてことも行われています。

それこそ、サーバー間での格差を利用して渡り歩く商人の様なプレイも有り得ると。リアルマネーかかりますが。
(通常のサーバー移転料金=1,834円(税抜価格1,667円)

メタバースとか諸々言ってる人はちゃんと研究できる対象が、身近にあるんだから、プレイして勉強してね?

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