2024年、現在キャラメイク可能なRPGはそれこそ、ごまんと存在します。無限とは言いませんが、如何様にも選ぶことが可能です。
まあ、正直、キャラメイクに関しては……リアル系、アニメ系と様々な系統に分かれており、癖の強いキャラしか作れないゲームも多いので、個人的な趣味が非常に反映される部分だと思います。
実際、もの凄くゲームは面白そうだけど、作れるキャラの顔が濃すぎて無理……なんていう声を聞いたことがあります。
で。そんな現状。約二十年前にサービススタートした『FF11』ですが、3Dポリゴンでリアル等身のデフォルメされていないキャラが特徴です。選択肢は少なめですが、カスタマイズしてプレイ開始可能。ポリゴンで作成された各種装備で外見が変化するというのは当時としては非常に珍しい存在でした。
この辺の詳細は、
★04・FF11がもっと自慢して良い所【グラ付き装備品の数】
https://shitirokugou.com/moji/2024/10/05/post-208/
https://x.com/zangetu_lb/sta/Zangetu_lb/status/1753354062714765312
で語っておりますので、まあ、読んでみて下さい。
で。そんな装備品がスゴイ『FF11』なんですが、実はそれを装備するキャラ……も当時としては破格でした。
①用意された種族が非常に多様
『FF11』で選択できるキャラの元種族は8種類。
ヒューム♂♀、エルヴァーン♂♀、タルタル♂♀、
ミスラ♀、ガルカ ♂(雌雄同体?精霊?)となります。
最初に選択できる素体が8種類というのは一見「そこまででも?」と思いがちですが、『FF11』の8種類は脅威の「8」です。
そもそも、『FF』シリーズで主人公がキャラメイクできて多種多様な種族が用意されていて……というタイプのRPGであったのなら、その8種類は最低限かもしれません。
ですが、思い出してみましょう。
『FF』シリーズというのは、クリスタルなどのキーワードが流用されているものの、タイトル毎にキャラからシステムから、世界観から……全てが一新される事で有名です。
つまり、『FF11』で8種類の種族を用意する必要はなかったのです。
正直、ヒュームとエルとタルタルの三種族でもよかったのです。
三種族にして、フェイスパターンを五倍、いや十倍くらいにしても、ミスラとガルカの二種族実装の全行程に遥かに及ばないことでしょう。
フェイスパターンを十倍にする作業量 < ミスラとガルカの二種族実装
ということです。初期設定とは言え、この8種族に決定! とした判断がまずはとんでもなくスゴイということになります。
②種族のサイズとプロポーションとギミックが多様
たった8種族で……という意見もあることでしょう。ですが、『FF11』の場合、そこに、現在では既に諦めてしまわれている発想が詰め込まれているのです。
公式ではヒューム♂Mサイズの身長が180cmということなのですが……正直、これは電撃の旅団発行の攻略本で仮定された170㎝というのが、個人的には激推しです。
これは別に自分が旅団所属だったから……ということではなく、『FF11』内で使用すると、各種座標を表示できるコンパスチェーンというアイテムでの測定結果から判断した過去があるからです。
(この辺の詳細は、以下リンクのマイケルサイトさんでの検証面白記事が素晴らしいです。https://finalfantasy7110.com/etc/22/index3.htm)
まあ、とりあえず、180でも170でも良いので、大体(zangetuさん四捨五入してあります。ヒューム男身長180㎝説が正しいとする人は+10㎝で問題無いハズです)で一覧にしてみますと……
ヒューム 男性 S:160㎝ M:170㎝ L:180㎝
ヒューム 女性 S:150㎝ M:158㎝ L:165㎝
エルヴァーン男性 S:185㎝ M:200㎝ L:205㎝
エルヴァーン女性 S:175㎝ M:185㎝ L:195㎝
タルタル 男性 S:73㎝ M:76㎝ L:82㎝
タルタル 女性 S:70㎝ M:74㎝ L:79㎝
ミスラ S:139㎝ M:142㎝ L:155㎝
ガルカ S:197㎝ M:203㎝ L:218㎝
まあ、大体こんな感じです。はい。この中にヤバイ数値があります。
というか、『FF11』はヒューム、エル、タル、ミスラ、ガルカ全ての種族のプロポーションが全く違うのですが、特にタル、ミスラ、ガルカはちょっとおかしいレベルで違和感バリバリです。
そもそも、このサイズ差でプレイヤーキャラを選べる……と言うこと自体がおかしいのです。
「いやいや、海外のRPGの本道といえば、ドワーフにエルフにホビットにノームに……イロイロあるんだからおかしくないだろ」
まあ、そうです。3DRPGの名作『Wizardry』ではその辺の種族が大活躍でしたし、「指輪物語」を神聖化していた派閥はムキーかもしれません。
が。
TVゲームのRPG業界、特に、キャラクターをリアル等身の3Dポリゴンで表現するタイプの作品では現状の結果論として「異常」と判断せざるをえません。
そもそも、RPGでキャラメイクができる……と言われたらアクションタイプの作品がお馴染みでしょう。それらの名作を思い出してみてください。はい。顔の濃さとか、体形とかに大きな差があると思いますが、どんなキャラを作成しても、身体の大きさはほぼ「一緒」のハズです。
これは当然なんですよね。アクション系のゲームの場合、主人公キャラの身体の大きさ、リーチ、当り判定等は「一定」でないと、細かいアクションの動きや設定、バランス取りは不可能です。大雑把でイイなら良いですが、名作と呼ばれる作品になるほど、繊細な調整が重要になるのは当然でしょう。
つまり、どんなに有名で人気な作品でもアクションゲームで有る限り、キャラメイクで出来上がったキャラの大きさはほぼ一定、同じになります。ゲームを面白くするためには仕方が無いことなのです。
で。それに比べればRPGはキャラの大きさに関してはそれほど厳密ではありません。なので、様々な大きさのキャラが作れても問題無いのです。
ですが、キャラメイクで身体の大きさが大幅に変更できるゲームは、ほぼ見かけません。見たこと無いですよね? あまり。
これは、純粋に、身体の大きさが違うと、表示する装備等のグラフィックのバランス調整が非常に難しくなるからです。
良く考えて見れば分かりますが、大抵のRPGでキャラメイク……といえば、ヒューム男、女のみの場合が多いのは、工程数的にどうにもならない現実ということになります。
ということで、『FF11』は、切り捨てても良い部分を敢えて選択することによって甚大な魅力を増やした。ということになります。
③そんなサイズ差があるキャラ達が同じ速さで行動できる凄さ
とそんな感じで作られたキャラ。それこそ……タルタルとエル。ガルカ。身体のサイズがここまで違うにも関わらず、走行スピードは基本同じです。
つまり、エルが物理的に長い足で大股で歩く距離を、タルタルは同じ時間で同じ距離を移動します。
これ、現実で考えれば、実は途轍もなくおかしくなるんです。
幼児と大人が一緒に歩く場合、確実に、大人がスピードを落として、幼児に合わせます。大人と同じスピードで幼児が移動出来るハズが無いですからね。
身体の小さな人と大きな人が一緒に歩けば……大抵小さな人はずっと走っている状況になりがちです。ついて行くにはどうしてもそうなってしまうのです。
リアルな頭身で構築されている『FF11』の世界で、その部分だけをデフォルメして、強引に処理してしまえば……多分、超絶早歩きのタルタルが登場していたハズです。
ですが。そうはなりませんでした。
ひょーいひょーいという、超高速移動なのに、ゆったりしているという表現方法、モーションで、他種族とのバランスを形成しています。
まあもう、これは、アニメ界でも天才と呼ばれた伝説のアニメーターでもある、キャラ3Dモーションを担当した金田伊功さんの功績が大きいと言われています。
当然、彼一人の……ということではないでしょうが、あの動きの凄さはもう言い訳しようが無く、追従できる才能ではない気がします。
種族の個性が、キャラの個性を産み出した
『FF11』にガルカがいなければ、ハゲガル祭りは行われませんでしたし、まるで感情を表現しているかのような「ミスラの尻尾」がなければミスラに魅了された人は今よりも遥かに少なかったでしょう。
何よりも、鼻黒チビたち=タルタルが当たり前の様にキャラ選択できなかったら。タルタルという文化が生まれていなかったら。『FF11』という長寿オンラインゲームの寿命を確実に左右したのではないかと考えます。
ヴァナという世界の「何かが」違っていたハズなのです。
計り知れない努力と、労力と、時間を費やして産み出された8種族。それは直系にあたる『FF14』に引き継がれ、さらに発展することになります。
『FF14』もこのキャラの仕様に関しては大概とんでもないんですけどね。リップシンクとか、装飾品の表示とか。純粋に種族も増えてますし。
と、まあ、『FF11』は直系の『FF14』以外の作品では、現在でも追従できないキャラメイクの多様性を産み出したということです。
いや、それにしても「ミスラの尻尾は雄弁に語る」……ですな。
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